1話/出会いのち見合い


「ったくよ…。俺はドラ○モンっかての。」



俺は菊池 恋(きくち れん)。
たった今友達の空に「助けてっ!!(泣」とせがまれて
バスケの試合に出て帰るところだ。
どうやら出るはずだったヤツが骨折ででれないらしい。
負けられない試合とかほざいてたからしかたなく出てやったんだが…。

「1年にやらせたらのに…。」
一人暮らしで一応不自由のない暮らしをしてんだけど。

「ゼツ?お前なにしてんだ?」

「ガウっ!」
こいつは俺のたった一人の家族の虎。幼い頃から一緒に居る。
動物といると気が楽でいい。一番安心できる。

「ガウ?」

「あぁ、ごめん。お前家ん中にいたんじゃねぇの?」

「ガルルル!!」


この反応は…、まさか。


「……!!(ガチャ」



あぁ…一番会いたくない人が居た。



「まぁ!?なんです?!その格好は!!」

「母さん…」


何でココに…、って今はそれどころじゃない。

「こいつらは誰だ。」

「あなたの見合い相手の伊達政宗君よ。そしてこの子は貴方と同じで
見合い候補の姫野愛ちゃん。」

「見合い…だと…?」

こいつ、また勝手に…。

あぁ…、腹ただしい。吐き気がする。

「はじめまして、姫野愛です。よろしくね!」

なんだコイツ。ブリッコか?

「って、おい待て。勝手に話進めてんじゃねぇ。見合い?はんっ、
誰がするかっての。まず、お前がなにか言えたぎりか。」

「なんて事いうの?!口が悪いにもほどがあります!」

「まぁまぁ、そういうお年頃なんでしょう。」

「本当にすみません…。恋、さっさと着替えてらっしゃい!」

「・・・。」

俺の格好は黒く二周りほどでかいパーカーに紫に近いピンクのロゴ入りのTシャツ、男子用の制服のズボン。
本来なら女子のする格好ではない。それぐらい自分でもわかる。
ましてや目の前にいる姫野って子をみたら場間違いにも程があるということが嫌でも分かってしまう。

「俺は別にかまわねぇ。」

政宗君!でもっ…」

政宗もこういってますし、いいですよこのままで。」

「…恋、座りなさい。」

え、まさかの?嫌だよ俺。

「ガルルルゥ」

「!また入って来てる!出て行きなさい!」

「なら俺も出て行く。人間なんぞに俺の貴重な時間をやるか。」


ましてやこいつの為なんかに。


「…ッ。」

「見合いは姫野の方がいい。俺なんかが伊達の妻になるなんて出来やしない。だが、話は聞くそれでいいか。」

「…えぇ…。」



数時間後。



「じゃぁ、これで。」

「えぇ、機会があればまた。うちの子がすみませんでした」

「いえいえ、大丈夫ですよ^^」


さっさと帰れよ。もう声すら聞きたくねぇ。


「Hey.」

「あ?なんか用かよ」

「お前、見合いどうすんだ?」

「放棄。姫野に権利をやる。」

「そうか…」

「なんか言いたげな顔だな。見合いに不満でも?」

「…なんで分かった…」

「長年動物達と戯れてると自然となにが言いたいのかなんとなく分かるんだよ。」

「…、お前本当に女か?」

「今この場で脱ごうか。」

「No,thank you.」

「クスクス、冗談。」

「じゃなきゃ困る。」

「じゃぁな、もう会わないことを願うよ。」

「そうだな」





政(また会えたらいいな、なんて口が裂けても言えなかった。)











あとがき!!
なんか長い…;
ここでは男前な主人公です。
このあとはどうなるのかなぁ?w